子どもケミネット

プラスチック条約策定に関する要望書-署名活動のお願い

有害化学物質のない
減プラ社会をつくろう!!

~子どもたちの未来のために~

有害化学物質のない減プラ社会をつくろう!!
~子どもたちの未来のために~

子どもケミネットでは、有害化学物質のない減プラ社会を目指し、プラスチック条約策定に向けて、署名活動を行っています。
目標は5万筆!
できるだけ多くのご署名を集めていただけますようお願い致します。

  1. 趣旨説明
  2. 提言内容
  3. 署名する
  4. 関連資料

1.趣旨説明

●深刻化するプラスチック汚染と国際プラスチック条約策定の動き

 プラスチックごみ(廃棄物)による地球規模の海洋汚染が深刻化しています。世界のプラスチックごみの推計は年間3億5300万トン(2019年)にのぼっています*1。この状態が続くと2050年までに海洋プラスチックごみの総重量が魚の総重量を超えると予測されています*2。
 この問題の解決には、さまざまなレベルのすべての関係者を巻き込んだ緊急かつ国際的対応が求められています。
2022年、国連環境総会(UNEA)は、「プラスチック汚染を終わらせる;法的拘束力のある国際文書に向けて」という決議を採択し、2024年末までにプラスチック条約を策定することが決定されました。
 これを受けて、2022年11月からこれまでの間に、プラスチック条約の政府間交渉委員会は、すでに4回開催され、最終回(5回目)は、2024年11月25日~12月1日まで韓国の釜山で開催予定となっています。
 人類がこの汚染危機を回避できるかどうかは、条約の内容如何にかかっています。

●条約の争点と日本政府の対応の問題点

①プラスチックの生産量の制限

 日本政府は、世界一律の生産制限に消極的な態度を示しています。しかし、プラスチック汚染危機の主な原因は、プラスチックの大量生産(2019年年間生産量4億6000万トン*3)にあり、この危機を回避するためには、生産量の抑制-「蛇口を閉める」-ことが必要不可欠です。

②プラスチック中の有害な化学物質の規制

 プラスチックには多種多様な化学物質が大量に使用されており、それらのリユース・リサイクルを進めるにあたっては、UNEP・BRS事務局作成の技術報告書「Chemicals in Plastics」*4に記載されている10種の「懸念化学物質」(表)に対する管理・規制が必須ですが、日本政府は、態度を明確にしていません。


物質群主な有害性何に入っているのか?
難燃剤 (臭素系難燃剤、有機リン系難燃剤など)IQの低下、知的障害、発達神経毒性、発がん性、内分泌かく乱作用、生殖毒性など玩具などの子ども向け製品、電気・電子機器、自動車、合成繊維素材、家具、建築資材など
有機フッ素化合物 (PFAS)内分泌かく乱作用、発がん性、発生毒性(低出生体重、不妊増加)、免疫低下、脳の発達遅延などフッ素樹脂加工の鍋やフライパン等、食品容器包装、合成繊維素材、家具、人工芝など
フタル酸エステル類 (DEHP、DBP、BBP、DIBPなど)生殖毒性(精子減少、不妊など)、内分泌かく乱作用(肥満や糖尿病など)玩具などの子ども向け製品(塩化ビニール製の玩具の可塑剤)、自動車、建築資材、医療機器など
ビスフェノール類 (BPA、BPF、BPSなど)生殖毒性(卵形成への悪影響、不妊など)、内分泌かく乱作用(脳発達への悪影響や肥満など)玩具などの子ども向け製品、ポリカーボネート製食器、建築資材、パソコン・スマートフォン・カメラのボディ、CD・DVD、缶詰の内面塗装、感熱紙など
アルキルフェノール類 (ノニルフェノール、ノニルフェノールエトキシレートなど)内分泌かく乱作用(精子減少、不妊)など飲料容器の蓋、プラスチックの酸化防止剤や乳剤など
殺生物剤 (第四級アンモニウム塩、トリクロサンなど)皮膚・目への刺激や感作性、遺伝毒性、内分泌かく乱作用など抗菌プラスチックなど
紫外線吸収剤・安定剤 (ベンゾフェノン類、UV-328など)肝臓毒性、内分泌かく乱作用、アレルギーの原因プラスチック製品の劣化防止剤など
金属・半金属類 (ヒ素、カドミウム、コバルト、クロム、鉛、水銀、スズ、亜鉛など)神経毒性、発達神経毒性、各種有害作用・玩具からのカドミウムの溶出玩具などの子ども向け製品、食器の着色剤、自動車など
多環芳香族炭化水素類 (ナフタレン、ベンゾピレンなど)発がん性、変異原性、生殖毒性など直接に接触するプラスチック製品中に存在、人工芝など
その他の非意図的混入物(NIAS) (ダイオキシン類・揮発性有機化合物(VOC)など)内分泌かく乱作用、生殖毒性、発達神経毒性など再生プラスチック中には、ダイオキシン類や揮発性有機化合物などが検出されている

③使い捨て製品など「問題のある・回避可能なプラスチック製品」の使用禁止

 スイス等の国々は、PS(ポリスチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)等の5種の包装材、酸化型分解性プラスチック製品、意図的に添加されたマイクロプラスチック(マイクロカプセルを含む)、使い捨て製品について、問題のあるプラスチックとしてリスト化し、原則として排除(使用禁止)とすべきことを提案していますが、日本政府は、このような提案への支持を表明していません。


2.提言内容

子どもケミネットの提言

 そこで、私たち子どもケミネットは、日本政府(外務省、環境省、経産省)に対して、下記のとおり、提言します。

① 新たなプラスチックの生産量を削減する

プラスチックポリマーの生産抑制の世界的・国別の目標を設定すること(条約案Ⅱ-1)

② プラスチックに含まれる有害化学物質を規制する

「懸念される化学物質」について、UNEPの技術報告書に「ヒトや野生生物への影響が懸念される化学物質群」として記載されている10種の「懸念化学物質」をリスト化し、これらについて、禁止、制限、段階的廃止の規制を講じること(条約案Ⅱ-2)

③ 使い捨てプラスチックの使用を段階的に禁止する

使い捨て製品を含む、「問題があり・回避可能なプラスチック製品」の使用を段階的に禁止すること(条約案Ⅱ-3)


3.署名する

趣旨にご賛同いただける方は、以下の方法にて署名活動にご協力ください。

①署名用紙にて

署名用紙をダウンロードいただき、ご記入・ご署名の上、事務局までご返送下さい。

1枚の署名用紙で、10名までご記入いただけます。

署名用紙ダウンロード

②オンライン署名フォームにて

以下のフォームより、必要事項をご記入下さい。

オンライン署名フォーム


4.関連資料・注記等

注記)
*1 経済協力開発機構(OECD)「グローバル・プラスチック・アウトルック」(2022)
*2 エレンマッカーサー財団の試算(2016年)
*3 UNEP報告書「Turning off the Tap(蛇口を閉める)」(2023)
*4 UNEP報告書「Chemicals in Plastics (プラスチックに含まれる有害化学物質)」(2023)